1. 水泳に続く「第2の身体規律」——48歳で再びボクシングを志したきっかけ

私は他の記事で、30歳から18年間続けている水泳とサウナの生活規律ログをお伝えしてきました。水泳は極度の首コリや全身の筋持久力、脳疲労の遮断に欠かせない有酸素の柱ですが、実は私には現在、もう一つ本気で取り組んでいるスポーツがあります。

それが「ボクシング」です。

大学生の頃に少しだけかじった経験はありましたが、それ以降はずっと「観る側」でした。世界タイトルマッチの熱戦を追いかけたり、後楽園ホールへ直接足を運んでプロの試合を観戦したりしていました。生で見る本物の日本ランカー・世界ランカーたちの無駄を極限まで削ぎ落とした肉体美は、まさに「ヤバい」の一言で、強烈な憧れが心の中にありました。

また、大人の身だしなみや自信の根幹として「護身術」への関心もあり、一時はイスラエル軍発祥の近接格闘術「クラヴマガ」などを調べたこともあります。しかし、常設道場の場所やアクセスの制約があり断念していました。何より、「40代後半というこの年齢から格闘技を始めて本当に大丈夫なのだろうか……」という強い躊躇と不安があったのです。

2. 俳優・玉木宏さんの挑戦に背中を押され、キック体験を経てボクシングへ

その躊躇を打ち破る決定的なきっかけとなったのが、俳優の玉木宏さんがブラジリアン柔術の世界大会(ワールドマスター)に出場し、見事3位(銅メダル)を獲得したというニュースでした。

「40代から始めて世界で戦えるのか」という強烈な刺激

玉木宏さんが柔術を本格的に始めたのは40歳を過ぎてからでした。実年齢が私とたった1歳しか違わない同世代の表現者が、多忙な本業の傍らで年齢を言い訳にせず格闘技に打ち込み、世界の大舞台で表彰台に立っている姿は、私にとって言葉にできないほどの衝撃と刺激でした。「自分も年齢を理由に逃げるのはやめよう。今からでも身体を鍛え直して何かを始めよう」と決意が固まりました。

最初はキックボクシングを視野に入れ、実際に体験入会にも足を運びました。しかし、足技やキックのフォーム・距離感にどこかしっくりこない感覚を覚えました。そこで、「過去に少しでもかじった経験があり、拳ひとつの繊細な攻防に集中できるボクシングに絞って腰を据えよう」と方針を切り替えたのです。

3. 最初の半年通ったMMAジム「パグナス」での学びと、直面した2つのミスマッチ

ボクシングをスタートして現在約8ヶ月が経ちますが、私はこの間にジムを一度移籍しています。

最初の半年間は、神田にあるパグナス(PUGNUS MMA)という総合格闘技ジムに通っていました。実際にリングで活躍されてきたプロ格闘家の方々がトレーナーを務めており、インストラクションも非常に親切で素晴らしい環境でした。

しかし、40代のビジネスパーソンとして継続する中で、私自身のニーズと合致しない部分が浮き彫りになってきました。

合わなかった点①:固定されたクラス時間と予定調整の苦しさ

パグナスはタイムスケジュールが決まっている「クラス制」が主体でした。仕事や急な予定変更が入りやすい40代の生活において、「特定の開始時刻にジムへ到着しなければならない」という制約は想像以上に重荷でした。

通い始めて2ヶ月目を過ぎたあたりから、「時間までに滑り込まなければならない」という義務感から通うこと自体が苦しくなり、無理に頑張って予定をやりくりするようになってしまいました。また、MMA(総合格闘技)がベースのジムであったため、「ボクシング技術を集中的に磨きたい」という私の目的とは少し方向性のズレもありました。

合わなかった点②:マスボクシングでの安全性への懸念(目を怪我しかけた経験)

もう一つの大きな懸念は、スパーリングの安全性でした。

ボクシングには「マスボクシング」という寸止め・軽打で行う実践練習があります。本来は顔面に強くヒットさせてはいけないルールですが、ジム内には格闘技未経験者も多く、経験値や体重・技術レベルが大きく異なる会員同士で組まされることが多々ありました。

40代ビジネスパーソンが絶対に避けるべき「目や顔の負傷」

力加減がコントロールできない相手と組んだ際、顔面への被弾をためらわないケースがあり、正直「目を怪我しそうになった危険な瞬間」がありました。レーシック手術を受け、仕事でも毎日PCを酷使する私にとって、趣味の運動で視覚や顔面に回復不能な怪我を負うリスクは絶対に許容できませんでした。

※誤解のないよう強調しておきますが、パグナスは柔術やMMAを本気で学びたい方や、クラス制で仲間と一体感を持って追い込みたい方にとっては非常に素晴らしいジムです。あくまで「ボクシング単体に集中したい」「時間の融通と安全を最優先したい」という私の個人的な用途に合わなかったというファクトです。

4. 移籍先「ボクシングクラブ」で得た劇的な快適さ——時間自由・マンツーマン・サンドバッグ

パグナスでの反省を踏まえ、次に選んだのがボクシングクラブ(Boxing Club)というボクシング専門のジムでした。この選択は大正解で、現在は非常に充実した練習環境を手に入れています。

① いつ行ってもトレーニングができる「時間的制約の完全ゼロ化」

クラスの開始時間を気にする必要がなく、ジムの開館時間内であれば自分の好きなタイミングで行き、着替えてすぐに自分のペースで練習を開始できます。仕事が長引いても隙間時間で立ち寄れるため、通院・通学の心理的ハードルが完全に消滅しました。

② 毎回3ラウンドのマンツーマンミット打ち指導

トレーナーが会員一人ひとりに対して、毎回3分×3ラウンドのミット打ちなどをマンツーマンでじっくり受けてくれます。ジャブの軌道、ストレートの体重移動、ガードの戻し方など、プロの目から的確なアドバイスがリアルタイムで入るため、技術が着実に身についている実感が得られます。

③ 豊富なサンドバッグで自分の癖・フォームを反復修正

サンドバッグの台数が豊富に確保されており、ミットで指摘された課題をすぐにサンドバッグへ打ち込んでフォームを確認できます。以前のジムでは気づけなかった「自分のパンチの打ち方の癖」「軸のブレ」を客観的に自覚できるようになり、満足度が跳ね上がりました。

比較項目 総合格闘技系(前ジム) ボクシング専用(現ジム)
通い方・時間 時間固定のクラス制(予定調整が必須) 自由来館制(好きな時間に自分のペースで開始)
指導形式 グループレッスン中心 毎回3Rのマンツーマンミット打ち指導あり
対人スパーの安全性 レベル差があり力加減にバラつき(怪我リスク) 基本はミット・サンドバッグ主体で安全第一
練習の集中度 寝技・打撃など多岐にわたる パンチの軌道・フットワーク・フォームの癖修正に専念

5. 40代からの格闘技ジム選びの極意と、キャンペーン入会の「違約金トラップ」注意点

2つのジムを実体験して痛感したのは、「大人の格闘技は、通い方(時間の自由度)と練習内容(安全性)が自分の生活とマッチしているかが全てである」ということです。

どれほど名門のジムや凄腕のトレーナーがいても、自分のスケジュールに合わずに通うのが苦痛になったり、怪我をして本業に支障が出てしまっては本末転倒です。こればかりは実際に体験してみないと分からない側面も多いため、まずは見学や体験に足を運んでみることを強くおすすめします。

【注意喚起】入会キャンペーンの「縛り・退会費用」を必ず確認すること

格闘技ジムでよくある「入会金無料」「初月会費無料」といったお得なキャンペーンには注意が必要です。多くのジムでは「半年〜1年以上の継続が条件」となっており、途中で合わずに退会しようとすると、無料になった分の入会金や会費を満額請求されたり、高額な解約違約金が発生するケースが少なくありません。

勢いで飛びつく前に、「もし自分に合わなくて数ヶ月で辞める場合、いくら解約費用がかかるのか」の規約を契約前に必ず確認しておくことが大人の自己防衛です。

今回は「なぜ48歳でボクシングを始めたのか」「大人のボクシングジムの選び方」を中心にお話ししました。 単なる殴り合いと思われがちなボクシングですが、実際にやってみると足の重心移動、体幹の連動、呼吸法など、驚くほど知的で奥深いスポーツだと日々実感しています。次回は、ボクシングを8ヶ月継続して身体やメンタルに現れた具体的な効果や、私が感じている「ボクシング観」について詳しくお伝えします。

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カナヅチの30歳からスタートし18年間継続している水泳とサウナのコンディショニング記録はこちら。

【運動・健康管理免責事項】

本記事は運営者個人の実体験に基づくトレーニング記録・感想であり、特定のジムや格闘技の効果を保証するものではありません。40代以降の格闘技・高負荷トレーニングの開始にあたっては、心疾患や関節・脊椎等の既往歴に十分配慮し、無理のない負荷設定と適切な安全防具の着用、十分な水分補給を行ってください。

運営者:くらのすけ
執筆・検証:くらのすけ(48歳フィジカル投資家)

30歳からの18年間、自腹で身体・外見投資を継続。「頭脳だけでなくフィジカル資産こそが出世と自己規律の源泉」をモットーに一次情報ログを公開中。

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